レポート

2015年

3月19日(木)

2015年3月14日 第1回公演「想い出の瞬間!」が上演

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3月14日、堺市総合福祉会館にて堺少女歌劇団初の本公演『想い出の一瞬!』(脚本:中村暁)が上演されました。

吉本興業株式会社が実行委員会に名を連ね、運営を協力している堺少女歌劇団。平成26年夏に発足し、現在は堺市在住の中学生から小学生の少女73人が所属。”じっくりと本物を作る”という堺の気質の中で活動しています。また、クリエティブプロデューサーに就任した宝塚歌劇出身の仙堂花歩の指導のもと、舞台の基礎からしっかりと学んできました。

この日、いよいよ初めての公演となった舞台『想い出の一瞬!』は、脚本・演出に宝塚歌劇団の演出家・中村暁さん、作曲・音楽監督に堺少女歌劇団テーマソング「Singing for you」も手がけた中島岳さんを迎えた本格的なお芝居、歌、ダンスで構成されており、吉本新喜劇からも島田珠代、高橋靖子、吉岡友見が特別出演し、舞台を盛り上げました。

上演に先駆けて堺少女歌劇団実行委員長の辰野邦次さんからご挨拶がありました。「竹山堺市長と吉本興業の大﨑社長との対談をきっかけに、堺東商店連合会が中心となってレッスンなどを行ってきました」と、これまでを振り返った辰野さん。少女歌劇団は、平成26年3月の団員募集から始まり、8月の製作発表に9月のレッスン開始、10月の堺まつりでのお披露目などを経て、活躍の場を広げてきました。「誰よりも歌や踊りがうまくなりたいと集まった団員たちが、公演ができるまで成長したことが誠に感慨深く思います。この公演を契機に、堺市に賑わいをもたらし、堺から世界へと羽ばたく歌劇団になれば」と今後の展望を述べられました。

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続いてご来賓を代表して竹山修身堺市長からもお祝いの言葉がありました。「当初は、つい先日までお遊戯会をやっていたような少女たちに本当に歌劇ができるのかとヒヤヒヤドキドキしていました。でも、彼女たちの実績を見ていくうちにワクワクドキドキに変わりました。この公演が彼女たちの第一幕となります。”ものの始まりは堺から”と言われるように、堺は歴史や文化を育み、大切にしてきた街です。80年前にあった大浜少女歌劇団を復活させることは、新たな歴史の1ページだと思いますし、また堺から新たな芸能や文化のスタートを切れると思います。市民の皆様と一緒になって少女歌劇団や文化、芸能を堺から発信することをお約束したいと思います。今日は楽しみにしています」と堺少女歌劇団への期待と込めてエールを贈られました。

『想い出の一瞬!』は、堺少女歌劇団メンバーの一人「まゆか」が80年前の堺にタイムスリップし、大浜少女歌劇団のメンバーと出会う物語。堺少女歌劇団での公演を直前に控えるものの、ミュージックナンバーの振付が上手に踊れないまゆかは、この場面を降板してもらうかもしれないと振付の青柳先生に告げられショックを受けます。そして稽古場を飛び出して向かった地下室で、不思議な出会いを果たします。まゆかは地下室の不思議な扉を通じて戦前の堺市のタイムスリップ。そこは、大浜歌劇団の稽古場でした。その稽古場で懸命に舞台に向き合う少女ふたりの思いに触れ、気持ちを動かされます。再び、現代に戻ってきたまゆかはは、その出会いをきっかけに得た歌劇団への思いを胸に、本公演へ決意新たに挑むのでした。


2回公演が行われた『想い出の一瞬!』。第1回公演で主演のまゆかを演じたさくらさんは、独白シーンあり、ソロナンバーありと大活躍でした。そしてユキを演じた悠さん、レイを演じたそよかさんは、はるかに寄り添う親友役。精一杯まゆかを励ます姿が印象的でした。また、まゆかの上級生を演じた莉帆さん、美羽さん、帆乃さんは、厳しくまゆかに接するも、最後には温かいまなざしを向け、劇中の少女歌劇団を大きく包み込みました。また、大浜少女歌劇団の一員であるひな、あやを演じた沙耶さん、菜乃さんは、古きよき関西弁を巧みに操り、物語に深みを与えていました。


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アンサンブルの皆さんも、舞台を華やかに彩りました。オープニングやフィナーレでは、客席通路まで降りて盛り上げます。また、ラインダンスやロック調のダンスなど、様々なバリエーションのダンスを披露し、少女歌劇団らしいステージで魅了しました。

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オリジナル・ミュージクナンバーも次から次へと飛び出し、場面はテンポよく進行。ソロ、アンサンブルなど披露された楽曲は約30曲に及び、団員の皆さんはバンドの生演奏をバックに歌とダンスで終始、魅せました。また、舞台中盤での、大浜少女歌劇団が登場する場面では、往時のレビューの華やかさを現代風に再現。そこも見どころの一つとなり、観客の心を掴みました。

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少女たちを時に厳しく、時にやさしく見守る振付の指導者、青柳先生を演じた島田珠代は、吉本新喜劇で見せる一連のギャグを一切封印。稽古場で厳しく指導する姿は、客席にも緊張感を与えるほどの熱演でした。また、高橋靖子、吉岡友見もストーリーの重要なカギを握る役どころで登場。少女たちが中心の舞台で、女優3人の存在が縁の下と力となって舞台を支えました。

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フィナーレではレビュー華やかなりし頃を彷彿させるラインダンスや、クラシックをロックナンバーにアレンジした楽曲に合わせた大人っぽいダンスなど、趣向を凝らしたショーで盛り上げました。また、堺少女歌劇団テーマソングである「Singing for you」では島田、高橋、吉岡も歌声を披露、少女たちと一緒になって歌い上げました。

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クライマックスを迎えたところで、突然、堺少女歌劇団の少女たちが「壁ドン」コールを合唱し始めました。今回、ギャグの一切をやってはならないと封印されていた島田に、おなじみの「壁ドン」ギャグのリクエストをしたのです! そんな彼女たちのラブコールに「今日はギャグをやってはダメだって言われたけど!!」と驚きつつも、満面の笑みを浮かべて嬉しそうな島田。舞台に用意された壁に向かって全力疾走、渾身の「壁ドン」で場内を沸かせました。そして最後は再び、「Singing for you」を全員で歌い、幕を閉じました。


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堺少女歌劇団の一員として、迷い、悩みながらも一生懸命にステージに取り組み、大きく成長していく少女たちの姿を描いた第1回本公演『想い出の一瞬!』。堺市に実在した大浜少女歌劇の歴史と現代とをリンクさせた物語の中で、懸命に歌い、踊る少女たちの姿は観客の心も大きく動かし、会場一体となっての盛り上がりを見せたのでした。

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